廃棄物処理法 ⑨ 講習を受けましょう!
お疲れ様です。行政書士の亀井宏紀です。
さて、廃棄物処理法の続きです。
前回は、「産業廃棄物収集運搬業許可」を取得するためには、「講習会の受講」が申請の前提となっていること
を確認しました。
ここで、なぜ、廃棄物に関係する許可には、このような「講習会の受講」が定められているのかを考えてみたいと思います。
まずは条文から。
廃棄物処理法14条を見てみます。
「第14条 (産業廃棄物処理業)
1項 産業廃棄物の収集又は運搬を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域(運搬のみを業として行う場合にあつては、産業廃棄物の積卸しを行う区域に限る。)を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、事業者(自らその産業廃棄物を運搬する場合に限る。)、専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみの収集又は運搬を業として行う者その他環境省令で定める者については、この限りでない。」
続いて、第5項も見ると
「5 都道府県知事は、第一項の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
一 その事業の用に供する施設及び申請者の能力がその事業を的確に、かつ、継続して行うに足りるものとして環境省令で定める基準に適合するものであること。」
とあります。
そして、環境省令は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則になりますので、の
第10条第2号を見ると
「第十条 法第十四条第五項第一号(法第十四条の二第二項において準用する場合を含む。)の規定による環境省令で定める基準は、次のとおりとする。
二 申請者の能力に係る基準
イ 産業廃棄物の収集又は運搬を的確に行うに足りる知識及び技能を有すること。」
となります。
前回に、講習を受講すれば、この産業廃棄物の収集又は運搬を的確に行うに足りる知識及び技能を有することになると説明しましたが、逆の視点からみると、知識及び技能があれば、別に講習を受講を受講しなくても、いいんではなかと思われるかと思います。
では、知識及び技能があることを、どのように証明したらいいでしょうか?
少し話はそれますが、建設業の許可申請を行う場合、専任技術者という方を置かないといけなくなっています。
この専任技術者は、該当建設業を行う上での、知識及び技能がある方です。
その証明は、資格や実務経験で行います。
例えば、建築士や施工管理の資格があるや、建設業に携わった実務経験が10年あるなどです。
証明するには、多くの書類の提出はありますが、十分、証明可能なものです。
では、一方、廃棄物の収集運搬の知識及び技能があることを証明するには、なにが考えられるでしょうか?
関係する資格は多くあるでしょうが、その資格があることで、廃棄物の収集運搬の知識及び技能が認められる資格というのは、調べてみましたが、なさそうです。
廃棄物の収集運搬の実務経験というのは、考えられそうですが、建設業のように、何か物を作るという場合ではないので、何年間、収集運搬しましたというのは、あまり意味がなさそうです。
このような廃棄物の収集運搬の特徴から、だったら、まとめて講習会をおこなって、知識及び技能を修得してもらおうとなったと、考えます。
また、廃棄物処理法の目的は、生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることですが、このような取組みを行うにおいては、扱う業者にも正しい知識、技能をもってもらう必要性からも、
「講習」という形におちついたのだろうと思います。
ちなみに、実際の申請時には、技術的能力に関する書類の項目では、「講習会修了証」の提出しか求められていません。
講習会を受講し、修了証をもらえれば、技術的能力に関する書類の項目はクリアできるのですから、産業廃棄物収集運搬業の許可を考えられてるなら、さっさと受講しておきましょう。
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