中国人との国際結婚 その3

行政書士の亀井宏紀(かめいひろき)です。

中国人との国際結婚についての続きです。
今回は、中国から先に、結婚手続きを行う場合について、説明します。

【中国から、先に、結婚手続きを行う場合】

1 日本人の婚姻要件具備証明書を取得する

中国人の方が日本にいない、又は、短期の在留資格で日本にいるような場合は、中国から先に結婚手続きを行います。
まず必要なのが、日本人の婚姻要件具備証明書です。

取得の手順としては、

日本の法務局で、婚姻要件具備証明書を発行してもらう
     ↓
日本の外務省で、婚姻要件具備証明書の認証をしてもらう
     ↓
中国の大使館又は領事館で、婚姻要件具備証明書の認証してもらう
     ↓
認証してもらった婚姻要件具備証明書を翻訳する

となります。

これで、日本の婚姻要件具備証明書が、中国の婚姻手続きを行う役所の、結婚登記所に提出できるようになります。

まず、日本の婚姻要件具備証明書の取得についてですが、必ず、日本の法務局で取得するようにします。
中国の場合は,法務局又は地方法務局及びその支局で発行した婚姻要件具備証明書でなければ、受け付けてくれないようですので、婚姻要件具備証明書は、市役所の窓口ではなく、必ず法務局で発行されたものを準備してください。

次に、法務局で取得した婚姻要件具備証明書を、外務省の担当部署に送付します。
直接、担当窓口へ持っていっても大丈夫ですが、郵送の方が、手間がかかりません。

担当部署は、東京と大阪にあり、東京の場合は、外務省 領事局領事サービスセンター 証明班まで、
大阪の場合は、大阪合同庁舎内にある 外務省 大阪分室証明班までとなります。

東京でも、大阪でも、どちらで手続きできますが、お住まいに近いほうで手続きした方がいいかと思います。
2週間程したら、外務省の認証をもらった書類が返却されてきます。
書類の下の方に、青いおおきなハンコが押されています。このハンコがあると、認証したことになります。

そして、手続きはこれで終わらず、次は、返却されてきた書類を、提出先の国の大使館又は領事館に提出し、認証してもらいます。
多くの大使館等では、査証の受付窓口で行ってもらえます。

提出後、一週間程度で返却されてきます。急ぎの場合は、別途、費用を払うと、数日早く手続きをしてくれます。

これで、相手国に提出できる書類として完成しましたが、これは日本語で作成されて書類です。
よって、中国の窓口に提出する場合は、婚姻要件具備証明書の翻訳文をつける必要があります。
この翻訳文は、申請する本人が相手方の国の言葉がわかるなら、自分で訳した物を翻訳文としてつけてもいいですし、他の方や、翻訳会社にお願いしてもかまいません。私は、翻訳会社をよく利用します。

これで、本来の「婚姻要件具備証明書」が完成し、あとは、相手国にて提出ということになります。

2 中国の婚姻登記処に、届出を行う。

日本人及び相手方の中国人が、二人がそろって、中国人の戸籍所在地の省、自治区、直轄市の婚姻登記処に出向く必要があります。

一般的に、必要な書類は、

・婚姻要件具備証明書(認証を受けたもの)
・婚姻要件具備証明書の中国語に翻訳されたもの
・二人にパスポート
・居民戸口簿(中国人のもの)
・居民身分証(中国人のもの)

となっています。
もっとも、婚姻登記処によって、必要書類が異なる場合があるので、事前に提出予定の婚姻登記処に確認をしておいてください。

婚姻登記処にて、登記手続きを行うと「結婚証」が発行されます。パスポートよりも一回り小さいサイズの冊子状のものです。この「結婚証」を受領すれば、法的な手続きは完了となります。

もっとも、この後に、日本での報告的結婚手続きと、その後のビザ申請の時に必要な「結婚公証書」を発行してもらいます。通常は、婚姻登記処が所在する役所で、発行してくれます。
また、日本語に翻訳したものも発行してくれる場合があるので、この申請時に、一緒にお願いできないか確認をします。
あと、日本での届出に必要となる、

・出生公証書(中国人のもの)
・離婚公証書(配偶者が離婚経験がある場合に必要)

も一緒に、申請しておきます。

3 日本での婚姻届の提出(報告的届出)

結婚公証書の交付後、3か月以内に日本の市区町村役場に婚姻届を提出します。

必要書類は

・婚姻届
・戸籍謄本(日本人のもの)
・結婚公証書(日本語訳が必要)
・出生公証書(日本語訳が必要)
・離婚公証書(日本語訳が必要)

となります。

あとは、届出時に、
「婚姻届受理証明書」を申請しておきます。在留資格のビザ申請時に必要です。
また、日本人側の戸籍謄本に、中国人の名前が入ったものも、後日取得しておきます。
発行まで、数日かかります。

以上で、婚姻の手続きは終了です。

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