そもそも入管って?
お疲れ様です。行政書士の亀井宏紀です。
さて、入管法のことについて、いろいろ話してきましたが、一度、基本に戻って、まだお話できていない所を、穴埋めみたいな感じで、話してみたいと思います。
行政書士にとっては、当たり前に分かっていることでも、そもそも、一般の方はよく知らない、というか気にしていないことがあると思います。一番最初は、「入管」そのものです。
正式名称は、「入国管理局」と言います。日本の行政の組織図的には、法務省の管轄です。
実は私は、法律の勉強を始めるまで、入管が法務省の管轄とは知りませんでした。
外国人を扱っているから、外務省と思っていました。
しかし、憲法の判例(最高裁判所の判決文のこと)の勉強で、憲法の勉強をしている人ならみんな知っている
「マクリーン判決」を勉強しているときに、外国人を日本に入れるかどうかは、法務大臣の裁量があるということを学び、ここで「あっ、入管は法務省の管轄なんだ」と知りました。
では、入管は法務省の管轄とわかったところで、現在の入管の組織を見てみたいと思います。
まず、人についてですが、「入管」と聞いて思い浮かべるのが、空港で入国するときに審査する人「入国審査官」ですよね。
これは、皆さんが思っている入管の人だと思っています。
でも実は、入管の職員さんには、両軸となるもう一つの役割を担っている方々がいます。
「入国警備官」です。
入管Gメンといわれる方で、不法入国者を摘発し、国外へ退去強制をさせる職員です。
テレビの番組で、警察24時のような特集がある時、日本のお店で違法に働いている外国人の摘発などで
入管Gメンの方々も登場する場面があると思います。いってみれば、入管の実力部隊です。
平成29年度の資料では、「入国審査官」が全国で2882人、「入国警備官」が1450人となっています。
他にも数は少ないですが、法務事務官、法務技官(医師や看護師)なども、全国で282人います。
次に、入管の全国組織は、入国管理局の地方支部が全国に8か所、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡にあります。ちなみに、入管は法務所管轄だけあってか、この8か所の都市には、すべて高等裁判所が設けられています。
あと、東京入国管理局には、成田空港支局、羽田空港支局、横浜支局が、名古屋入国管理局には、中部空港支局が、大阪入国管理局には、関西空港支局、神戸支支局が、福岡入国管理局には、那覇支局が設けられています。
全国の主要な空港と港には、入管の支局があるということですね。
そして、入国管理局の出張所は、全国各地の都道府県にあります。小さいですが。
また、少し変わった施設として、「入国管理センター」というものが全国に2か所、茨城県の牛久市と、長崎県の大村市にあります。
これは、難民認定の方々の一時的な留まる場所となったり、不法滞在の外国人などを一時的にとどめる施設で、最近では、北朝鮮から漂流してきた漁民らを、ここで一時的に収容して管理していたといわれています。
このように、入管は全国に組織があり、人員もかなりの数がある部署です。
少しでも、イメージできましたでしょうか。
最後に、関係ない方には、どーでもいいでしょうが、各入国管理局は、独自のツイッターのドメインをもっていますので、登録するといろいろな情報を発信してくれます。
実務に役立つのは、「今日は、入管は混んでますや、今日は比較的すいてます」
等の、窓口の混雑情報もつぶやいてくれます。
親切だなーと思ってます。
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