戸籍の転籍

 相続の関係で戸籍の勉強をしているときに、「分籍」や「転籍」という言葉が出てきます。「分籍」とは、成年に達した者が、戸籍筆頭者およびその配偶者でない限り、自らを筆頭者として戸籍を作ること、「転籍」とは、本籍地を変えることを言います。
「分籍」や「転籍」がどれぐらい行われているか、2011年度のデータではありますが、年間に「分籍」は16,049件、「転籍」は、401,062件行われています。
「転籍」が年間に40万件以上も行われていることに当初、びっくりしました。転籍は原則、どこにでもできるので、テレビ番組などでも紹介されていましたが、一般の方が住むことができない、皇居や大阪城などの住所にも変更することは可能です。
まあ、これらの所に変更する方は例外としても、転籍を行う大きな理由の一つとして、戸籍謄本を取得しようとした時に、戸籍謄本は本籍地のある市区町村の役所でしか取得できないことがあります。
 例えば、本籍地は鹿児島県で、今は東京に住んでいるような場合、戸籍謄本を取得するには、直接鹿児島に出向くか、郵送で取得の依頼をしなければなりません。
これは、日数も手間もかかってしまいます。
そこで、本籍地を東京に変更すれば、このような手間はなくなり、すぐ戸籍謄本は取得することができます。
 もっとも、考えられるデメリットもあり、転籍を行うと、新しい戸籍に記載される人は、現在の家族関係に関するものに限定されます。婚姻、離婚、死亡、分籍などで除かれた者の記載はされなくなります。
 例えば、離婚した妻の名前がなくなることをどうとらえるのか、結婚して籍を離れた子供の記載がなくなってもよいのか、など、当事者の思惑で、メリットともデメリットともとれることが発生します。
 ですので、戸籍の転籍を考える際には、よく考えて行うことをおすすめします。

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