在留資格を再確認 ⑤ 「技術・人文知識・国際業務」

お疲れ様です。行政書士の亀井宏紀です。

さて、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の続きです。

「技術・人文知識・国際業務」は、入管法の別表 第1の2に記載されている在留資格です。
一応、文言を確認してみると

「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学,工学その他の自然科学の分野若しくは法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(一の表の教授の項,芸術の項及び報道の項の下欄に掲げる活動並びにこの表の経営・管理の項から教育の項まで,企業内転勤の項及び興行の項の下欄に掲げる活動を除く。) 」

とありあます。
以前は、別々だった在留資格が、改正によって、「技術・人文知識・国際業務」という職種がいかにも異なる形態にまとめられました。

では、どんな職業の方が、この在留資格に該当するのかを見ると、法務省の該当ページに職業の一例として、
・機械工学等の技術者
・通訳、デザイナー
・私企業の語学教師など

と、あげられています。
これらのことから、単純労働者ではなく、ある程度、専門性のある職種で、日本に在留する場合の在留資格と言えます。
ここで、この在留資格「技術・人文知識・国際業務」が認められるで大きな問題となっているのが、
その職種が、「技術・人文知識・国際業務」に該当するかどうかが、わからないような場合です。

法務省のあげた例は、法務省には失礼なんですが、中学生ぐらいなら専門性があるような職業だと認識できる、ど典型の事例だと思います。
世の中には、様々な職業があり、その職業の中身は、どんなものなのか、よくわからないような場合があります。というか、多くの職業は、これにあたるのではないかと思います。

自分の経験した職業を一例として、あげてみます。
私は、大学卒業後、スーパーの会社に入り、精肉部門に配属されました。いわゆるスーパーのお肉屋さんです。
普通の方でも、スーパーのお肉屋さんのイメージはつくかと思います。
お店で、ただ決められたお肉を、包丁できるだけなら、多少、技術的要素はあるとしても、おおむね単純労働の部類にはいるかと思います。
しかし、私のいた会社では、精肉部門に配属された者の多くは、会社とはまったく別組織の、お肉の専門学校に、半年間、お肉の専門知識を学ぶために、学生の身分として、出向させられます。
そして、半年間、みっちり、お肉の知識を身につけた上で、もとの職場にもどされます。
お肉の専門学校を卒業時には、ちゃんと、食肉技術専門士という資格ももらえます。
このような、専門的な知識に基づき、スーパーでお肉を切っているので、もはや、この作業は、単純な作業でなく、専門的な技術に基づいた作業ではないかと、一種の職人と、私は考えています。

実際、スーパーのお肉屋さんでお肉を切るために、外国人の方が来日するかどうかは、わかりませんが、
日本に留学している外国人が、学校を卒業後、スーパー会社に入社し、お肉屋さんに配属されるような場合は、あるかもしれません。
そうすると、ただ、お肉を切るのではなく、専門技術者として、お肉をきるとなり、十分、在留資格の「技術・人文知識・国際業務」に該当する可能性もあります。

このように、「技術・人文知識・国際業務」に該当する職種は、本当に、個別具体的に判断されるものなので、
私たち、行政書士も、その職業の中身は、実際なんなんだと、できる限り確認して、業務を行っています。

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格は、ほんとうに、奥深い在留資格です。

 

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