不法就労助長罪
お疲れ様です。行政書士の亀井宏紀です。
さて、昨日のニュースで、福岡の有名ラーメン店の代表取締役や、その法人が書類送検されたと、大きく報道されたいました。
容疑はニュースの中では、単に出入国難民認定法違反と紹介されていましたが、ニュースの内容をみると、
出入国難民認定法(以下、「入管法」とします)の中の、不法就労助長罪の違反のようです。
入管法の中にも、ちゃんと罰則を記した章があり、入管法に違反したら当然、処罰を受けます。
入管法の第73条の2に不法就労助長罪という犯罪が規定されています。
今回の、有名ラーメン店の書類送検の件についても、大阪府警がお店に捜査に入っているニュース映像が流れていたので、入管法でも違反したら、警察が来るんだと思った方もいるかもしれません。
犯罪なので、当然、警察がやってきます。
では、なにをしたら違反になるのか、条文を見ると、
『 入管法 第七三条の二
次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者
二 ・・・ 』
とあります。
つまり、外国人に不法就労活動をさせた者が処罰されることになります。
不法就労活動というと、不法に日本に入国してきた外国人を、隠れて仕事に使ったというような場面をイメージされるかもしれませんが、適法に日本に入国してきた外国人でも、入管法で定められた以外の就労をしたら、それは不法就労活動になります。
今回のラーメン店の場合は、ニュースの内容からすると、外国人留学生に規定時間以上の労働をさせてことが原因のようです。
つまり、外国からの留学生は、日本に勉強するため来ているので、原則日本で就労活動はできません。
しかし、資格外活動許可という許可をもらうと、勉強に支障のない範囲での就労活動が認められます。
そしてその勉強に支障のない範囲というのが、一週間で28時間以内となっています(一週間で40時間とかだと、普通の労働している人とかわりませんから)。
また、細かい話になりますが、この一週間で28時間以内というのは、一週間のどの曜日から計算しても、28時間をこえないこととされているので、
例えば、火曜と木曜は1日10時間、土曜は8時間働き、残りの曜日は働かないとすると、一週間で28時間以内におさまっているように見えますが、
翌週の月曜に1時間でも働くと、火曜から月曜までの一週間を計算した場合、28時間を超えてしまいます。
よって、一週間のどの曜日から計算しても28時間をこえないようにするため、一日の労働時間は5時間まで、かつ一週間で28時間以内が、留学生の資格外活動許可で認められた就労活動ということになります。
このことから、この28時間を超えて、働かせた者は、不法就労活動をさせた者として、不法就労助長罪に該当してしまうわけです。
このように、外国からの留学生は、決められた範囲でしか就労はできませんので、外国人を雇う経営者は、しっかりと確認の上、仕事をやってもらわないと、自分が犯罪者になってしまいます。
有名ラーメン店の代表取締役のコメントとして
「外国人留学生の労務については、労務担当にまかしていたので、わからなかった」
とニュースでも発表されていましたが、知らなったとしても、経営者は処罰されます。
福岡でもすごく大規模で、有名なラーメン店だっただけに、外国人の就労問題なんか、確実に対応してて当然だと、私は思ってましたが、対策をしていなかったことが、本当に以外でした。
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