在留資格の立証資料を確認 ①
お疲れ様です。行政書士の亀井宏紀です。
さて、行政書士の仕事をしていて、いつも思うことなんですが、結局は
「書面が大事」ということです。
お客様からの依頼を受け、その相手側が、行政庁の場合で、何らかの許認可などをもらう場合、
原則は書面審査です。
当該対象の人が呼ばれて、面接などをして、「あなたの印象は非常にいいいので、ぜひ許可をあげたい」
などは、絶対ありません。絶対です。
よって、私たち行政書士は、提出する書面に命をかけます。
これは、法律系の士業である弁護士さんでも同様だと思います。
弁護士さんは、裁判所でいろいろお話しているイメージもあるとは思いますが、その前に用意した書面で、おおよそのことは決まってますので、やはり、書面が命です。
行政書士で、入国管理の仕事をする場合も同様です。
何らかの許可を取りたい、例えば、在留資格認定証明を取りたいとなった場合、
「この方には、在留資格認定証明を与えるにたる十分な要件が整っています」ということを
書面を出して、立証します。
入管業務の場合、立証責任は、100パーセント、申請者側です。
刑事裁判でいうような「疑わしきは被告人の利益に」というようなものはなく
「疑わしきは、許可せず」です。
特に、出入国管理という部分は、誰を入国させて、誰を入国させないというのは、国家にとって、非常に大事な部分ですので、ちょっとでも変な人は、入国させないというのは、世界のスタンダードでもあります。
そこで、より詳細なお話になっていくのですが、実務的には大事な所なので、入管業務の立証資料を見ていきたいと思います。
最初に見ていきたい在留資格は、とく利用されることが多い、在留資格「技術・人文知識・国際業務」です。
以前、このブログでも少し紹介しましたが、この在留資格は、外国人が会社などの機関で勤務することを想定されています。そして、その勤務先の機関を、規模や信頼性から、4つのカテゴリーに分けています。
そのカテゴリーごとに、提出する資料、つまり立証資料の数が違ってきます。
カテゴリーの区分についての詳細は、今回は省略しますが、カテゴリー1が一番信頼されている機関であり、順に2から4となっています。
今回は、カテゴリー1についての立証資料を確認します。
具体例として、大学を卒業した外国人が新卒として、自動車メーカーのトヨタに入社するとします。
提出資料(立証資料)として、まずは当たり前ですが、在留資格認定証明書交付申請書は、書かないといけません。申請の申込書ですから。
次に、カテゴリー1の機関はいろいろなケースが含まれていますが、代表的なのが、日本の証券取引所に上場している企業です。
自動車メーカーのトヨタは、当然、一部上場企業です。
このことも、立証しないといけないので、書類を提出するんですが、この書面はなんと、「四季報の写し」です。トヨタほどではないにしても、日本の証券取引所に上場している企業であれば、「四季報の写し」を提出することで、この企業は、カテゴリー1に所属している企業と判断されます。
カテゴリー1の場合、提出資料(立証資料)は、なんとこれだけです。
あと、外国人本人の写真や、返信用封筒は必要ですが、これらはすぐに揃えられますから。
法務省のHPにも、「カテゴリー1については,その他の資料は原則不要」と明記されています。
本当に提出資料(立証資料)が、ややこしくなってくるのは、カテゴリー3から4ですので、次回にお話したいと思います。
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