廃棄物処理法 ⑥ 許可の中身

お疲れ様です。行政書士の亀井宏紀です。

さて、廃棄物処理法の続きです。

前回、廃棄物の運搬、処理をする場合は、行政から許可を得ている業者に依頼しないといけないことを条文で確認しました。
この過程で、行政書士がお仕事のお手伝いをしていることも案内しました。
では、その中身をみていきます。

根拠の条文は、廃棄物処理法14条です。無茶苦茶、長いです。14条は17項まであります。
この14条で、廃棄物の収集運搬と、処分を別の項で定めています。また共通の規定も14条の中で定められています。
14条1項から5項が収集運搬について、6項から10項が処分について、共通規定が11項から17項と条文の中身はなっています。
ちなみに、廃棄物の収集運搬と、処分では、2010年のデータではありますが、収集運搬業の許可件数が、28万1158件、処分業の許可件数が1万3985件と、収集運搬業の方が圧倒的に多い(95%の比率)ので、廃棄物の収集運搬の方をメインに確認していきます。

まず、廃棄物処理法14条5項1号には

「都道府県知事は、第一項の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
一 その事業の用に供する施設及び申請者の能力がその事業を的確に、かつ、継続して行うに足りるものとして環境省令で定める基準に適合するものであること。」

とあります。「環境省令で定める基準に適合」しないと許可がもらえないとあります。
よって、規準を定めた環境省令も確認することになります。

環境省令は、廃棄物処理法施行規則のことで、第10条にあります。
中身を確認すると

「第十条 法第十四条第五項第一号(法第十四条の二第二項において準用する場合を含む。)の規定による環境省令で定める基準は、次のとおりとする。

一 施設に係る基準

 イ 産業廃棄物が飛散し、及び流出し、並びに悪臭が漏れるおそれのない運搬車、運搬船、運搬容器その他の運搬施設を有すること。
 ロ 積替施設を有する場合には、産業廃棄物が飛散し、流出し、及び地下に浸透し、並びに悪臭が発散しないように必要な措置を講じた施設であること。

二 申請者の能力に係る基準

 イ 産業廃棄物の収集又は運搬を的確に行うに足りる知識及び技能を有すること。
 ロ 産業廃棄物の収集又は運搬を的確に、かつ、継続して行うに足りる経理的基礎を有すること。」

とあります。施設と申請者、つまり、物と人の両面の規準を満たさないと、許可はもらえないことになります。

許可基準だけまずは確認していきますので、次に、廃棄物処理法14条5項2号を見ます。

「二 申請者が次のいずれにも該当しないこと。

 イ 第七条第五項第四号イからトまでのいずれかに該当する者
 ロ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」とい   う。)又は暴力団員でなくなつた日から五年を経過しない者(以下この号において「暴力団員等」という。)
 ハ 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人がイ又はロのいずれかに該当するもの
 ニ 法人でその役員又は政令で定める使用人のうちにイ又はロのいずれかに該当する者のあるもの
 ホ 個人で政令で定める使用人のうちにイ又はロのいずれかに該当する者のあるもの
 ヘ 暴力団員等がその事業活動を支配する者」

とあります。2号イのところで、「第七条第五項第四号イからトまでのいずれかに該当する者」
とあるので、廃棄物処理法の第7条第5項第4号イからトを次に見てみると(便宜上括弧書きを省略してます)

「四 申請者が次のいずれにも該当しないこと。

 イ 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの

 ロ 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者

 ハ この法律、浄化槽法その他生活環境の保全を目的とする法令で政令で定めるもの若しくはこれらの法令に基づく処分若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、又は刑法 第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪若しくは暴力行為等処罰ニ関スル法律の罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者

 ニ 第七条の四第一項 若しくは第二項若しくは第十四条の三の二第一項 若しくは第二項又は浄化槽法第四十一条第二項の規定により許可を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者

  ホ 第七条の四若しくは第十四条の三の二 又は浄化槽法第四十一条第二項の規定による許可の取消しの処分に係る行政手続法第十五条の規定による通知があつた日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に次条第三項の規定による一般廃棄物若しくは産業廃棄物の収集若しくは運搬若しくは処分の事業のいずれかの事業の全部の廃止の届出又は浄化槽法第三十八条第五号に該当する旨の同条の規定による届出をした者で、当該届出の日から五年を経過しないもの

ヘ ホに規定する期間内に次条第三項の規定による一般廃棄物若しくは産業廃棄物の収集若しくは運搬若しくは処分の事業のいずれかの事業の全部の廃止の届出又は浄化槽法第三十八条第五号に該当する旨の同条の規定による届出があつた場合において、ホの通知の日前六十日以内に当該届出に係る法人の役員若しくは政令で定める使用人であつた者又は当該届出に係る個人の政令で定める使用人であつた者で、当該届出の日から五年を経過しないもの

 ト その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者」

とあります。無茶苦茶長いし、ややこしいです。本当は条文の中に括弧書きがあるので、もっと複雑です。

廃棄物処理法の14条5項1号と2号で許可規準を定めていますが、物の面については、扱うものが廃棄物ですので、運搬中にそこらへんに飛び散ったらまずいので、それをふせげるのかという面から定められています。

一方、人の面の関しては、この廃棄物を取り扱う業者が、以前は反社会的な事業者が行っていた場面があったとの社会的背景より、そのようなものを廃除する面が大きくでています。悪いことした人は、一定期間経過しないと、ダメですよということです。

かなり長くなってしまったので、今回はここまでにします。

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