廃棄物処理法 ⑧ 講習を受けます!

お疲れ様です。行政書士の亀井宏紀です。

さて、廃棄物処理法の続きです。

実務のお話に入るまでに、かなり時間がかかってしまいました。
でも、それだけ、廃棄物処理に関しては、いろいろ問題がある証拠です。

では、実際の産業廃棄物がでた場合に、その廃棄物を運ぶための許可
「産業廃棄物収集運搬業許可」について確認していきます。

ます、「産業廃棄物収集運搬業許可」の許可は、どのような業者が取っているのかですが、
当然ですが、この産業廃棄物の収集・運搬そのものを、お仕事としている業者が当てはまります。
あたり前ですが。

次に、建設業の業者の方も、多くこの許可を取得されてます。
なぜか?
それは、建設作業の現場で出た、産業廃棄物を、自ら収集・運搬するためです。

建設業者の中には、当然、専門の産業廃棄物収集運搬の業者に依頼する所もありますが、自社で産業廃棄物を、収集・運搬したいという所もあります。
その分、経費も浮きますし。
よって、建設業者も、「産業廃棄物収集運搬業許可」を取得している所も多いです。

では、実際の許可に申請についてですが、産業廃棄物収集運搬業許可の場合、一般的な許認可の場合と大きく異なることが、一つあります。

それは、「講習会の受講」が申請の前提となっていることです。
建設業の許可申請を行う場合に、「講習会の受講」は必要ありません。原則、必要書類を揃えて、担当窓口にもっていくだけです。

「産業廃棄物収集運搬業許可」を取得する場合、「講習会の受講」を終わらせてでないと、申請できない仕組みになっています。

ちなみに、飲食店の営業許可をもらう場合に、食品衛生責任者を置かなければならないのですが、この食品衛生責任者の資格がない場合に、保健所主催の講習会を受講しなくてはならないのですが、こちらは、あくまで食品衛生責任者がいない場合の措置になります。

「産業廃棄物収集運搬業許可」の場合は、個人での許可申請なら、申請者本人、法人での許可申請なら、代表者、役員クラスの受講が義務となっています。

会社の社長さんが、従業員に、研修受講してきて!とは言えないことになります。
しかも、その研修自体が、結構しっかりした研修(2日間みっちり)で、かつ費用も(3万円ぐらい)かかります。

では、なぜ、こんな講習を受講しないといけないかですが、ちゃんと根拠があります。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(環境省令)の第10条第2号です。
関係する所を見ると

「第十条 法第十四条第五項第一号(法第十四条の二第二項において準用する場合を含む。)の規定による環境省令で定める基準は、次のとおりとする。

二 申請者の能力に係る基準

イ 産業廃棄物の収集又は運搬を的確に行うに足りる知識及び技能を有すること。」

です。
2号イで
「産業廃棄物の収集又は運搬を的確に行うに足りる知識及び技能を有すること」

とされています。

つまり、この知識を有さないと、許可はもらえないんですが、講習を受講したら、
知識を有することにしてもらえるということです。

ちゃんと、講習には、最後に修了試験もあるので、一応、修了試験に合格したら、
「知識及び技能を有すること」にしてもらえます。

ほんと、廃棄物関係は大変です。

長くなったので、今回はここまでにします。

 

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