廃棄物処理法 ⑬ マニフェスト

お疲れ様です。行政書士の亀井宏紀です。

さて、廃棄物処理法の続きです。

今回は、「マニフェスト」というものをみていきます。

産業廃棄物の確実な処理を実現するために、廃棄物処理法の1997年改正によって、産業廃棄物管理票(マニフェスト)の制度が導入されました。

廃棄物処理法 12条の3に規定されていますので、これも長いですが全文確認してみると

「(産業廃棄物管理票)

第十二条の三 その事業活動に伴い産業廃棄物を生ずる事業者は、その産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合には、環境省令で定めるところにより、当該委託に係る産業廃棄物の引渡しと同時に当該産業廃棄物の運搬を受託した者に対し、当該委託に係る産業廃棄物の種類及び数量、運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称その他環境省令で定める事項を記載した産業廃棄物管理票(以下単に「管理票」という。)を交付しなければならない。

2 前項の規定により管理票を交付した者(以下「管理票交付者」という。)は、当該管理票の写しを当該交付をした日から環境省令で定める期間保存しなければならない。

3 産業廃棄物の運搬を受託した者(以下「運搬受託者」という。)は、当該運搬を終了したときは、第一項の規定により交付された管理票に環境省令で定める事項を記載し、環境省令で定める期間内に、管理票交付者に当該管理票の写しを送付しなければならない。この場合において、当該産業廃棄物について処分を委託された者があるときは、当該処分を委託された者に管理票を回付しなければならない。

4 産業廃棄物の処分を受託した者(以下「処分受託者」という。)は、当該処分を終了したときは、第一項の規定により交付された管理票又は前項後段の規定により回付された管理票に環境省令で定める事項を記載し、環境省令で定める期間内に、当該処分を委託した管理票交付者に当該管理票の写しを送付しなければならない。この場合において、当該管理票が同項後段の規定により回付されたものであるときは、当該回付をした者にも当該管理票の写しを送付しなければならない。

5 処分受託者は、前項前段、この項又は第十二条の五第五項の規定により当該処分に係る中間処理産業廃棄物について最終処分が終了した旨が記載された管理票の写しの送付を受けたときは、環境省令で定めるところにより、第一項の規定により交付された管理票又は第三項後段の規定により回付された管理票に最終処分が終了した旨を記載し、環境省令で定める期間内に、当該処分を委託した管理票交付者に当該管理票の写しを送付しなければならない。

6 管理票交付者は、前三項又は第十二条の五第五項の規定による管理票の写しの送付を受けたときは、当該運搬又は処分が終了したことを当該管理票の写しにより確認し、かつ、当該管理票の写しを当該送付を受けた日から環境省令で定める期間保存しなければならない。
7 管理票交付者は、環境省令で定めるところにより、当該管理票に関する報告書を作成し、これを都道府県知事に提出しなければならない。
8 管理票交付者は、環境省令で定める期間内に、第三項から第五項まで若しくは第十二条の五第五項の規定による管理票の写しの送付を受けないとき、これらの規定に規定する事項が記載されていない管理票の写し若しくは虚偽の記載のある管理票の写しの送付を受けたとき、又は第十四条第十三項、第十四条の二第四項、第十四条の三の二第三項(第十四条の六において準用する場合を含む。)、第十四条の四第十三項若しくは第十四条の五第四項の規定による通知を受けたときは、速やかに当該委託に係る産業廃棄物の運搬又は処分の状況を把握するとともに、環境省令で定めるところにより、適切な措置を講じなければならない。

9 運搬受託者は、第三項前段の規定により管理票の写しを送付したときは当該管理票を当該送付の日から、第四項後段の規定による管理票の写しの送付を受けたときは当該管理票の写しを当該送付を受けた日から、それぞれ環境省令で定める期間保存しなければならない。

10 処分受託者は、第四項前段、第五項又は第十二条の五第五項の規定により管理票の写しを送付したときは、当該管理票を当該送付の日から環境省令で定める期間保存しなければならない。

11 前各項に定めるもののほか、管理票に関し必要な事項は、環境省令で定める。」(適宜括弧書きは略)

と、なっています。

簡単に説明すると、マニフェストという産業廃棄物管理票という紙を産業廃棄物と一緒に移動させ、それぞれの事業者の元に、控えの紙を残しておくというものです。
現在は、紙媒体と電子媒体がありますが、説明の便宜上、紙媒体について説明します。
ちなみに、紙媒体のマニフェストは、通常複写式の7枚綴りになっています。

このマニフェストの特徴としては、産業廃棄物処理の登場人物である、排出事業者、収集運搬業者、最終処分業者のそれぞれの元に、マニフェストの伝票の控えが残されるということです。
そして、マニフェストは、運搬や処分の終了から10日以内に委託者に送付・回付しなければならないとなっています。
つまり、排出事業者のもとに、ちゃんと処理されたことの通知が来ることになります。

複写式の7枚綴りの紙媒体の場合は、下記のような感じで控えが保管されます。

A票  排出事業者の控えとなります。

B1票 処分業者への運搬終了後、運搬業者の控えとなります。

B2票 処分業者への運搬終了後、運搬業者から排出事業者に返送され、排出事業者が運搬終了を確認します。

C1票 分終了後、処分業者の控えになります。

C2票 処分終了後、処分業者から運搬業者に返送され、運搬業者が処分終了を確認します。

D票  処分終了後、処分業者から排出事業者に返送され、排出事業者が処分終了を確認します。

E票  最終処分終了後、処分業者から排出事業者に返送され、排出事業者が最終処分終了を確認します。

また、廃棄物処理法29条に罰則規定があり、この義務違反を行った場合は、直接処罰されることになります。

マニフェストの対応自体けっこう大変な作業ですが、確実な廃棄物処理のためにも、必要なことです。

参考 マニフェストの見本です

 

 

 

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