身分関係の在留資格

お疲れ様です。行政書士の亀井宏紀です。

さて、外国人の在留資格は、大きく2種類に分かれます。
「別表第一」「別表第二」という区分です。

出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という)という法律の中に、「別表第一」「別表第二」という「表」がちゃんとついています。

例えば、上陸の許可基準を定めた、第7条の中で、「別表第一の下欄に掲げる活動」と条文の中にちゃんと出てきます。
この表も、れっきとした法律の中身です。

最初に入管法を見た時に、法律の中に表があるのかとびっくりしました。

在留資格の「別表第一」というのが、就労系の在留資格、「別表第二」が身分若しくは地位の在留資格となっています。

「別表第一」が、就労系の在留資格となっていますので、主に、日本に来て、または日本で仕事をしてお金を稼ぐために必要な在留資格といえます。
別表第一の中には、別表第一の三、四、五として、ちょっとニュアンスが違うもの、留学や文化活動なども含まれていますが、「別表第一」は主に仕事系の在留資格となっています。

一方、「別表第二」の方が、身分若しくは地位の在留資格といわれています。
まず、中身を見てみますと、「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」となっています。
仕事や、留学などの活動を行うために日本にきました、というものではなく、付随的、もしくは間接的なニュアンスのある在留資格です。

このように、「別表第二」は身分若しくは地位に基づく在留資格なので、就労を目的とする在留資格ではありません。とすると、ここに規定されている在留資格「日本人の配偶者等」にあたる、日本人の配偶者の方は、日本で働けないのかというと、まったく逆で、そもそも身分に基づく在留資格なので、就労には制限がないとされています。
つまり、この「別表第二」にあたる在留資格をもっていれば、日本人と同様に、就労の制限がないということになります。就労の制限がないので、どんな職業でもつけるということになります。

少し話はそれますが、「別表第一」はおのおのその在留資格に該当するものの就労が可能な在留資格であり、それについてしか働けません。
また、「留学」の在留資格は、原則、就労ができませんが、資格外活動許可というものを取れば、外国人留学生は、一週間で28時間まで就労が可能となります。
居酒屋やコンビニの外国人は、ほとんどこの許可に基づいて働いています。
もっとも、この場合の就労は、風俗関係はできないことになっていますので、中洲(九州最大の繁華街)の、スナックやキャバクラなどでは働けないということになります。

一方、「別表第二」は就労の制限がない在留資格ですので、外国人であっても、中洲のスナックで働けるということになります。
基本、就労の在留資格である「別表第一」の中には、スナックなどで就労できる在留資格はないので、あくまで、合法的に、スナックで外国人が働いているとするなら、この「別表第二」に基づいて、働いているということになります(合法ならばということですが・・)。

「そうか、日本人の配偶者になれば、日本で制限なく働けるのか!」と悪いほうに考える方々は、昔から当然いたわけで、形だけ日本人と結婚して、日本の風俗関係で働いて稼ぐということが、以前は横行したことがあります。
よって、今は、「日本人の配偶者等」という在留資格を得るための審査は、かなり厳しくなっており、本当の意思に基づいて結婚しているのかが、徹底的に審査されます。

このように、「別表第二」の在留資格は、身分若しくは地位に基づく在留資格とされているため、就労に制限がないという特徴があります。

次回以降、この身分関係の在留資格について、確認していきます。

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