産業廃棄物処理業の許可申請に関する講習会 ②
お疲れ様です。行政書士の亀井宏紀です。
さて、産業廃棄物処理業の許可をもらうためには、許可申請の前に、「講習会」というものを受講し、講習会の最後に行われる「修了試験」に合格しなければならないことを確認してきました。
産業廃棄物の収集運搬課程の場合は、講習科目は、
・行政概論
・環境概論
・業務管理
・安全衛生管理
・収集運搬
の5つです。
各講習科目ごとに、学習のねらいというものが公表されています。
受講前に、イメージだけでもつかめればよいかと思いますので、確認してみます。
行政概論
1 廃棄物の定義および産業廃棄物の種類について理解を深める。
2 産業廃棄物の処理基準について理解を深める。
3 産業廃棄物の許可制の目的、意義、手続き等について理解を深める。
4 産業廃棄物の処理の委託基準について理解を深める。
5 法に定める禁止行為や行政処分の制度並びに行政処分事例から適正処理の理解を深める
環境概論
1 廃棄物処理は循環型社会の形成を担う一方、環境問題の原因ともなっている。このため、我が国の環境問題の変遷と施 策、環境の現状並びに地球規模的な環境問題について理解する。
2 廃棄物処理事業の適切な遂行に当たっては環境管理の視点を持つことが重要である。このため、環境管理に係る基礎的 要件並びに、環境管理の手法であるリスクマネジメントおよび環境アセスメント等の概要を理解する。
業務管理
1 委託契約書の必要性、産業廃棄物管理票(マニフェスト)制度の意義や仕組みについて理解を深める。また、帳簿作成 の必要性と帳簿の活用の重要性について理解を深める。
2 産業廃棄物処理業は、製造業及び販売業等のいわゆる動脈産業の市場原理とは異なる経済的側面を持つという特質 について理解を深める。
3 産業廃棄物処理業を的確かつ継続して行うに足りる経理的基礎及び財務管理等について理解を深める。
大切な経営資源である従業員の育成策として、良好な職場環境の確立、従業員の能力開発について理解を深める。
4 産業廃棄物処理業を営む上で、必要不可欠であるリスクマネジメントについて理解を深める。
5 企業活動における環境負荷を低減するための手法として、環境保全活動の取組みについて理解を深める。
安全衛生管理
1 安全衛生管理の必要性、進め方について理解を深める。
2 産業廃棄物を取り扱う場合に起こりやすい事故や健康障害について防止対策について理解を深める。
3 事故や労働災害が起きたときの措置について理解を深める。
収集・運搬
1 産業廃棄物収集運搬業の法的義務と役割を理解する。
2 収集・運搬において留意すべき事項を理解する。
3 収集・運搬に係る技術的事項を理解する。
4 収集運搬業に係る関連規制について理解する。
以上となっております。
学習のねらいだけでも、結構なボリュームですね。
最後の修了試験では、収集・運搬課程の場合、
① 行政概論 17問
② 環境概論 3問
③ 業務管理 5問
④ 安全衛生管理 5問
⑤ 収集・運搬 5問
の合計35問出題されます。
行政概論が、おおよそ半分ですが、他の科目でも3から5問出題されますので、
学習のねらいであげたところからは、まんべんなくだされることにんありますね。
また、修了試験の合格基準ですが、下記の条件を満たさないといけません。
①行政概論で12点以上
②③④⑤の4科目に0点がないこと
①~⑤の合計が25点以上
の3つの基準を満たしていることです。
要するに、①の行政概論で12点以上とって、合計で25点以上、行政概論以外の科目でも、最低1問は正解することが必要となります。
あ、ちなみに、試験は、各1問が1点で、マークシート方式です。
①の行政概論が、17問中12問の正解、つまり、この科目だけ特に70%以上の正解をとらないといけないのは、厳しいのではないかと思いますが、前半のいくつかは、〇×問題もありますので、研修で講義をちゃんときいていれば、なんとか判断できるのではないかと思います。
あと、この産業廃棄物の収集運搬課程の講習ですが、講習参加のための事前のテキスト配布などがない予習ができないタイプの講習で、かつ、終わってすぐに修了試験を行うタイプですので、このような講習会の場合、多くは、
講習の中で講師が、
「ここは大事です」や、「ここは、しっかり覚えてください」といった、試験にでる所を、あんに教えてくれる場合がありますので、講習会の講師が、ここが大事などのキーワードを言った場合は、ラインカーカーでしっかりチェックすることをおすすめします。
といっても、受験者の9割以上はうかるといわれてますので、大丈夫です(おそらく)。
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