国際結婚の、届出の順番 ③

お疲れ様です。
行政書士の亀井宏紀です。
前回は、中国人との結婚手続きの場合に、どちらの国から行うのがよいかを確認しました。
相手の中国人が、今、どこにいるのかで、場合をわけて対応するのがよいと説明しましたが、
今回は、少し変わった婚姻の手続きがある国を見ていきます。
■ 日本人とブラジル人の場合
ブラジルも、前回確認した、婚姻手続きの「創設的届出」と「報告的届出」を認めている国ではあります。
よって、原則は、どちらの国から、婚姻手続きを行ってもいいのですが、結婚後、お二人とも日本に滞在を希望する場合は、手続きの複雑さを重視するなら、ブラジル人との国際結婚は、
① 日本で先に、「創設的届出」

② ブラジルで、「報告的届出」
を行ったほうが、手間がかからないといえます。
実は、ブラジルという国は、結婚を行うのに、非常に手間がかかる国です。
日本は、役所に婚姻届の書類1枚出して、全ての手続きが完了しますが、ブラジルはそうではありません。
ブラジルでは、結婚専門の登記所で結婚の手続きを行ったあと、
「結婚の公示」が新聞に約1か月掲載されます。
これは、重婚を防ぐのが目的です。
ちゃんと、新聞に、結婚を希望する、男性と女性の氏名が公示されます。
そして、結婚の公示期間終了後までに、異議の申し立てがなければ、登記所にて結婚式の予約をします。
その後、結婚式を実施し、ここではれて、婚姻したということになります。
国際結婚する、お二人とも、今後、ブラジルで生活をするという場合は、この待機時間の一か月間は、特に問題がないと思いますが、今後、日本での生活を考えている場合、お互い、ブラジルと日本を往復するだけでも、すごい手間がかかります。
なんといっても、ブラジルは、地球でいう日本の反対側の国ですから。
一方、先に日本で、「創設的届出」を行い、後に、ブラジルに「報告的届出」を行った場合は、上記のような結婚の公示や、登記所での結婚式は、必要ありません。
そうなると、日本での「創設的届出」が手間がかからず、こちらで行うのが良いかというと、
実は、1つ問題があります。
日本で先に婚姻届を出す場合、相手方外国人の婚姻要件具備証明書を日本の役所に提出する必要があります。
これは、国際結婚の場合は、どの外国人でもです。

通常は、該当する国の大使館で発行してもらえます。
ブラジルの場合も、大使館が発行を行うのですが、この発行の時には、
必ず、申請者本人が、大使館に出向くことが必要です。
代理人での申請はできないことになっています。
よって、日本で最初に「創設的届出」を行う場合、相手方のブラジル人が日本に滞在していることが必要です。
何らかの在留資格をもって、すでに日本に滞在している場合は、特には大きな問題とはなりませんが、日本にいない場合は、一度、日本に呼び寄せることになります。
まとめてみますと、相手方のブラジル人が日本にいれば、先に日本で、「創設的届出」を行い、後に、ブラジルに「報告的届出」を行うのが、最も手間がかからない方法と言える。
しかし、相手方ブラジル人が、日本にいない場合は、
・ブラジル人を日本に呼び、日本で「創設的届出」を行う。
・日本人がブラジルに出向き、ブラジルで「創設的届出」を行う。その際の、一か月の結婚の公示の期間は、ブラジルに滞在するか、一度日本に戻り、再度、一か月後、ブラジルに出向いて、結婚式に出る。
ということになります。
以上、相手方がブラジル人で、日本に滞在していない場合は、非常に結婚の手続きに手間がかかるということを、紹介しました。
 
 
 

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