【保存版】ネパール人との国際結婚 国内手続き完全解説

お疲れ様です。行政書士の亀井です。

ネパール人と日本人が国際結婚して、日本に在留するビザを取得したい時、多くの場合は、日本人とネパール人が二人でネパールに行って、結婚の手続きをしなくてはいけない、と言われていました。

その理由として、日本の入国管理局に、相手方配偶者のビザ申請する際に必要な書類が、国内では取得できないからです。在日本のネパール大使館が、領事業務として、婚姻の手続きを行っていなかったからです。

しかし、最近から、事情が変わったようで、在日本のネパール大使館で、婚姻の手続きを行ってくれるようになりました。これにより、わざわざ日本人が、ネパールに行かなくても、相手方配偶者のビザ申請を行うことが可能になりました。もっとも、入国管理局側でも、まだ事例が少ないようで、追加の資料などを求められる可能性はありますが、ひとまずは、日本人が、ネパールに行かなくても、相手方配偶者のビザ申請が可能となりましたので、このことを紹介したいと思います。

国際結婚をして、相手方外国人配偶者が、日本に住みたいと思った時に必要な在留資格は「日本人の配偶者等」です。このビザをもらうためには、先に、法律上の婚姻を行っておかないといけません。このビザの申請を行う時、ポイントとなるのが、相手方外国人の政府が発行した「結婚証明書」です。

国際結婚ですから、両方の国で、結婚したという証拠を入国管理局に出さないといけません。もっとも、外国の場合は、この「結婚証明書」を入手するまでが、大変なんです。

今回は、日本人、そしてネパール人とも、日本国内に在留している場合に、二人が国際結婚をして、入国管理局にビザの申請をするまでの手続きを、解説したいと思います。

なお、地域によって、多少手続きがことなる場合がありますので、実際にお手続きをする方は、必ず、自らで確認をとってください。

それでは、まず、全体の手続きの流れを確認します。

1 日本の役所で、婚姻手続きをするために必要な、ネパール側の書類を集める

2 在日ネパール大使館で、ネパール側の書類に「認証」をもらう

3 日本の役所に、婚姻届を提出する

4 在日ネパール大使館に、日本での婚姻手続きが終わったことを報告し、証明書をもらう

5 日本の入国管理局に、ビザを申請する

おおまかな流れは、このようになります。以下、各項目ごとに、詳細を案内します。

 

1 日本の役所で、婚姻手続きをするために必要な、ネパール側の書類を集める

日本の役所で、婚姻手続きを行う場合、日本人同士なら、婚姻届を出すだけですから、すごく簡単です。しかし、外国人の場合は、そうはいきません。なぜなら、日本には、その外国人の戸籍がないからです。よって、まずは、日本の役所に提出する書類集めからが大変です。

一般的に必要な書類です

【日本人側】

・身分証明書(運転免許証や、パスポート)

・婚姻届

【ネパール人側】

・マリタルステータス(婚姻の状況書)

・マリタルステータスの日本語に訳したもの

・家族関係証明書

・家族関係証明書の日本語に訳したもの

・出生証明書

・出生証明書の日本語に訳したもの

※ネパールの書類は、日本の役所の担当者が読めせんので、日本語に訳したものを添付します。なお、この翻訳は、翻訳会社に頼まなくても、申請者自身で行って構いません。その際には、翻訳した書類の下の方に、翻訳した人のサインをしておきます。

それと、その時のサインは、崩したような字ではなく、しっかりと、読める文字で書くようにしてください。日本の役所の人が、困ります。

・申述書

マリタルステータス、家族関係証明書、出生証明書についてですがこれらの書類は、基本、ネパール本国で発行されます。そして、日本の役所に提出する際には、現在、多くの日本の役所では、その書類に、在日ネパール大使館の「認証」を受けたものの提出が求められます。

つまり、大使館のお墨付きがほしいということです。

では、在日ネパール大使館の「認証」をもらうために、ただ送ればいいのかというと、そうではなく、在日ネパール大使館では、大使館のハンコを押印し、大使がサインをすることで、「認証」したことにしています。

ただ、ここでまた、大使館のハンコを押印し、大使がサインをするための条件というものが登場します。それは、その「認証」する書類が、ネパール本国の「認証」を受けたもので、ないと、大使館側は、「認証」をしないということになっています。

「認証」がたくさん出てきてややこしいので説明します。

ネパール人が用意する、マリタルステータス、家族関係証明書、出生証明書の書類などは、

日本でいう、ネパール国内の市役所が発行します。この市役所が発行した書類に、ネパール政府の「認証」を受けたものを、在日ネパール大使館に持ってきたら、大使館での「認証」をしてあげます、というものです。

ネパールの首都カトマンズに、「デパートメント・オブ・コンシュラーサービス」という認証を行う機関があるので、ここで、「認証」を受けます。実は、ここが書類の準備のスタートということになります。

確認します。

まず、マリタルステータス、家族関係証明書、出生証明書を取得する。

次に、その書類を、「デパートメント・オブ・コンシュラーサービス」というネパール政府の機関で、「認証」してもらう。

なお、これらの書類の取得は、ネパール人が日本にいたらできませんから、ネパール人の親族などに依頼して取得してもらうことになると思います。

「デパートメント・オブ・コンシュラーサービス」で「認証」してもらった、書類を

在日ネパール大使館に送り、大使館で「認証」をしてもらう。

これでやっと、日本の役所に書類を提出することができます。

すごく、手間がかかります。

あと、必要書類で、申述書というのがあります。これは、本来、外国人が日本で国際結婚の手続きをする場合、日本の役所に、外国政府が発行した「婚姻要件具備証明書」というものを提出します。別名、独身証明書と言われます。この「婚姻要件具備証明書」を提出できる場合は、申述書はいらないのですが、今回、ネパールでは、そもそも「婚姻要件具備証明書」がないので、その代わりとなる、マリタルステータスや、家族関係証明書という書類を出すので、「代わりに、この書類を出します」ということを申述してください、と求められるので、そのための書類です。

一般的に、その日本の役所で書類は用意してくれてますので、記入見本を見ながら、書けばいいです。

 

2 在日ネパール大使館で、ネパール側の書類に「認証」をもらう

必要な書類の、「デパートメント・オブ・コンシュラーサービス」で、認証を受けた、マリタルステータス、家族関係証明書、出生証明書が揃ったら、在日ネパール大使館に送り、大使館の「認証」をもらいます。送った書類に、大使館の押印と、外交官のサインをしてもらえます。

大使館で認証を受けるために必要な書類は

ネパール本国の認証を受けた、

・マリタルステータス、

・家族関係証明書、

・出生証明書 

の各、原本

・ネパール人のパスポートのコピー

・リクエストレター

 ⇒これは、決まった形式のものがあるのではなく、「日本の役所に婚姻手続きのために提出する書類に、在日ネパール大使館の認証がほしいので、認証をしてください」といった内容の手紙を、英語、もしくはネパール語で申請者のネパール人本人が書きます。そのリクエストレターの下に、本人のサイン(署名)、住所も記入します。

・認証費用 1枚につき6000円、3枚なら18000円必要、これを現金で送る。

・返信用のレターパック(赤色のレターパック、返信先の住所を記入しておく)

以上が、必要なものとなります。

なお、現金は、現金用封筒でしか送れず、その現金用封筒もサイズが大きくないので、中に返信用のレターパックを入れて、一緒に送ることができません。

よって、現金は、現金用封筒で、認証が必要な書類は、返信用のレターパックも入れた、レターパックで分けて、大使館に送ることになります。

その際に、現金用封筒の中に、「別便で、認証が必要な書類を送っています」と記した手紙をいれておきます。あと、送り主の名前は、現金用封筒と、レターパックで同じにするようにします。宛先は、

 

〒153-0064 東京都目黒区下目黒6-20-28 福川ハウスB

ネパール連邦民主共和国大使館 領事部 

まで送ります。

 

3 日本の役所にて、婚姻の手続きを行う

在日ネパール大使館から、認証済の書類が返却されてきたら、日本の役所で、婚姻の手続きを行います。日本人とネパール人の両方が、役所に行きます。

必要書類は、先ほど案内したとおり、

【日本人側】

・身分証明書(運転免許証や、パスポート)

・婚姻届

【ネパール人側】

・マリタルステータス

・マリタルステータスの日本語に訳したもの

・家族関係証明書

・家族関係証明書の日本語に訳したもの

・出生証明書

・出生証明書の日本語に訳したもの

・申述書

です。

なお、ネパール人の本人の国籍を確認する必要があるため、手続きの当日は、ネパール人のパスポート及び、あれば、在留カードも持参します。

婚姻手続きが完了したら、「婚姻届受理証明書」がほしい旨を役所の担当の方に言って、発行してもらいます。原則、即日発行してくれます。この「婚姻届受理証明書」をネパール大使館に送って、入国管理局に提出する書類を発行してもらいます。

また、ビザ申請の時に「戸籍謄本」が必要ですので、これもほしいことを担当者に伝え、申請しておいてください。

戸籍謄本には、相手方配偶者の名前が入りますので、発行までに日数がかかります。

あと、書類とは関係ありませんが、日本の役所で婚姻届をだす前に、二人で婚姻届の紙をもった写真を撮っておいてください。

ビザ申請の時に必要な、スナップ写真として、その写真も提出します。

 

4 在日ネパール大使館に、日本での婚姻手続きが終わったことを報告し、証明書をもらう

ネパール大使館に、婚姻届受理証明書を送付すると、大使館側が、

「ネパール大使館で、日本が発行した婚姻届受理証明書を受理しました」という書類を発行してくれます。正式な、結婚証明書ではありませんが、一応、ネパール大使館側で、日本が発行した婚姻届受理証明書を受理したことを証明してくれたということになります。

この証明書が、入国管理局にビザ申請する場合に、結婚証明書の代わりとなります。

なお、大使館への報告だけでは、ネパールでは、まだ正式な婚姻はしていないことになっていますので、将来的には、二人が揃ってネパールに行って、婚姻手続きを行う必要はあります。

ここで、ネパール大使館に報告する際に必要な書類です。

・婚姻届受理証明書(日本の役所が発行したもの)

 ※なお、戸籍謄本は不要です

・ネパール人と、日本人の二人のパスポートのコピー

・リクエストレター

⇒内容としては

 「今回、日本人の〇〇と結婚をしたので、日本の結婚のビザをもらうための、ネパールの証明書がほしい」ということを、ネパール語、もしくは英語で申請者本人が書きます。そして、リクエストレターの下の方に、二人のサイン、住所も書いておきます

・費用 6000円(現金封筒で送る)

・返信用のレターパック(返信先の住所を書いておく)

なお、郵送については、ネパール人の必要書類の認証の際に、ネパール大使館に送った時と同様、現金は、現金用封筒で、書類は、レターパックで分けて送ることになります。

その際に、現金用封筒の中に、「別便で、必要な書類を送っています」と記した手紙をいれておきます。あと、送り主の名前は、現金用封筒と、レターパックで同じにしておきます。

宛先は、さきほどと同じ、ネパール大使館 領事部です。

 

5 日本の、入国管理局に、ビザを申請

在日ネパール大使館より、

「ネパール大使館で、日本が発行した婚姻届受理証明書を受理しました」という証明書が送られてきましたら、この証明書を、結婚証明書の代わりとして、ビザの申請を行います。

正式には、結婚証明書ではないので、場合によっては追加資料の提出を求められる場合があるかもしれませんが、ネパール大使館が発行した公式な証明書なので、入国管理局も、申請の受理は、してくれます。

その他、ビザ申請の時に必要な一般的な書類については、ここでは割愛します。

以上で、日本人が、ネパールに行かなくても、相手方配偶者のビザ申請が可能となったことを案内しました。

たくさん認証が出てきて、ややこしい場面もありましたが、日本人がネパールに行って、婚姻手続きを行うよりは、手間がかからない方法といえます。

最後になりますが、地域によっては、手続きもことなりますので、実際に申請する場合は、確認を自身でとってください。

以上です。

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