職務上請求書は、使わない?
お疲れ様です。行政書士の亀井宏紀です。
さて、他の行政書士の先生とお話ししていて、相続関係の内容になった時、
「職務上請求書使ってます?」
という話の流れになる場合があります。
ここで、職務上請求書とはなにかというと、簡単に言えば、お客様の委任状がなくても、戸籍や住民票が取得できる申請書面です。
この行為自体を、職務上請求といいます。
行政書士が相続関係や、また会社関係で業務を行う場合、お客様の戸籍や住民票が必要になる場合が、結構あります。
戸籍や住民票は、お客様自身のものについてもちろん自分で取得できます。
業務でこれらが必要になった場合、お客様自身で取得してもらい、私たち行政書士に渡してもらうということも、もちろんあります。
しかし、なんらかの事情で取得できない(時間がない、手続きが煩雑など)ような場合、その後の対応が、二つに分かれます。
一つは、お客様から委任状を頂き、その委任状に基づいて、お客様のかわりに戸籍などを取得する方法。
もう一つは、さきほど紹介した、職務上請求を行うという方法です。
ここで、最初のお話に戻りますが、「職務上請求書使ってます?」という多くの行政書士の先生が、「私は、職務上請求書を使わないで、委任状をもらって、戸籍を取得しています」と話されます。
理由は、職務上請求の行為をしたくないからです。
この職務上請求の行為は、いってみれば、究極の個人情報である他人の戸籍を、行政書士の権限で取得できるという、すさまじい効果をもつものです。
よって、行政書士が職務上請求を行う場合も、厳格なルール、書式にもとづいて職務上請求を行います。
そのすさまじい権限のため、極力使いたくないという行政書士の方が多いです。
私も、当初は、そのすさまじい権限のため、できれば使わず、お客様からは委任状を頂いて、対応をするほうがよいと考えていました。
しかし、ある行政書士の先生と話している時、その先生は、戸籍の取得は原則、職務上請求で行っているそうです。なぜか理由を聞くと、「お客様に負担をかけたくないから」だそうです。
委任状をもらうにしても、その委任状には、お客様の署名やハンコをもらわなくてはなりません。
委任状が複数枚になる場合もあります。
その先生は、必要な書類で、集められるものは、極力、行政書士が対応し、お客様に負担はかけないとのことでした。
また、もう一つの理由として、言われていたのが、「この職務上請求の行為を、みんながしなくなると、国から、行政書士が職務上請求の行為をあまりしないのなら、今後この権限を廃止します、と言われる可能性もある」とのことでした。
また、以前、私がある役所に戸籍の取得のための手数料の確認で連絡した際に、担当してくださった戸籍担当の方が、「先生は、今回の戸籍取得は、職務上請求でされますか?」と質問されました。
私が、そのほうがいいんですかと逆に聞くと、
「正式な権限に基づいての請求なので、役所としても、その方が対応がしやすい」
とのことでした。
この職務上請求という行為は、行政書士が国から認められた、正式な権限です。
全国の役所の方も、そのことを認識したうえで、対応をされています。
適正な使用ということを大前提に、今後は、お客様負担の軽減及び、事務処理の迅速性のためにも、職務上請求は、必要な場合は、遠慮や畏怖することなく、私は行使をしていこうと思います。
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