定款は大事です ③

お疲れ様です。行政書士の亀井宏紀です。

さて、会社の定款の中で、必ず記載しないといけない事項として「絶対的記載事項」があることを確認しました。この「絶対的記載事項」はその言葉どおり、必ず記載しないといけない事項ではありますが、この他にも、「相対的記載事項」と、「任意的記載事項」というものもあります。

会社法では、第28条と、第29条に記載があります。
見てみますと

「第28条
株式会社を設立する場合には、次に掲げる事項は、第26条第1項の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。
一  金銭以外の財産を出資する者の氏名又は名称、当該財産及びその価額並びにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、設立時発行株式の種類及び種類ごとの数。第33条第1項第一号において同じ。)

二  株式会社の成立後に譲り受けることを約した財産及びその価額並びにその譲渡人の氏名又は名称

三  株式会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名又は名称

四  株式会社の負担する設立に関する費用(定款の認証の手数料その他株式会社に損害を与えるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。)」

「第29条
第27条各号及び前条各号に掲げる事項のほか、株式会社の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。」

となっており、28条が、相対的記載事項、29条が、任意的記載事項です。

絶対的記載事項は、目的、商号、本店の所在地、設立に際して出資される財産の価額又はその最低額、発起人の氏名又は名称及び住所をその内容としますが、これだけでは、会社の表面上のことしわかりません。よって、実際の会社を運営、経営していく時のルールを定めたいのであれが、ちゃんと記載をするということになります。

「相対的記載事項」と、「任意的記載事項」の両方とも、定款に記載してよいものではありますが、
相対的記載事項の方は、ルールを決めるなら、必ず定款に記載しなさいというもの、任意的記載事項の方は、ルールを決めたなら、定款に載せてもいいし、載せなくてもルールとして決めたなら有効というものです。

相対的記載事項ですが、28条であげられている事項以外にも、会社法の中でいくつか記載されており、
28条以外の主なものの具体例をあげると、

株式の内容(譲渡制限、取得制限付、取得条項付)
株券発行
代表取締役、取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人、委員会の設置
取締役、監査役等の任期
取締役会の招集通知期間の短縮

などがあります。

任意的記載事項の具体例としては、

事業年度
株主名簿の基準日
取締役、監査役等の員数
公告方法

などがあります。

これらの事項を定款に記載して、実際に会社を設立することになります。

あと、参考までにですが、会社法には、「定款はこのような項目を作りなさい」というものはありませんが、
株式会社の場合、だいたいのお決まりの項目、章立てがあります。
だいたいは

第1章 総則
第2章 株式
第3章 株主総会
第4章 取締役および代表取締役(取締役及び取締役会等)
第5章 計算
第6章 付則

となっております。
場合によっては、監査役の章がはいったりと、変わる場合はありますが、だいたいの項目はこんな感じです。
この各項目の中に、「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」を記載していきます。

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