公正証書遺言の、ハンコのお話。

公正証書遺言は、公証役場にて、公証人と遺言者(遺言書を残す人)、証人2名が立ち合いのもと、作成されます。
まあ実際は、作成当日までに、公証人に遺言書に記載する内容をお伝えして、その原案にもとづいて公証人が遺言書を作成します。

よって、公証役場に、みんな集合して「さあ、みんなで遺言書を作ろう!」という行為はせず、公証人がすでに作成した遺言書を、遺言者、証人の前で読み聞かせ、間違いがなければ、署名、押印をします。そして最後に、公証人が「この証書は、民法第969条1号ないし第4号の方式に従って作成し、同条5号に基づき、次に署名押印する」と付記して、署名押印して、公正証書遺言の作成は完了します。
だから、当日はそんなに時間は、かかりませんし、特に大変でもありません。当日までの準備の方が、100倍大変です。
 

 ところで、今回は、公正証書遺言に押印する、ハンコについてです。
遺言者は、公正証書遺言の押印には、ご本人ですから、その証として、「実印」を押します。
ところが、立ち合いの証人は、公正証書遺言の押印には特に実印でなくてもよくて、「認印」でもいいことになっています。
ですから、規定的に、公正証書遺言の押印で、「認印」を押すこと自体、なんの問題もないのですが、実は、ちょと、私には気になることがあります。
遺言者がお持ちの実印って、結構立派なハンコをお持ちの方が多く、特に、ご年配の方がお持ちの実印は、本当に立派な威厳のある実印なんです。大きさも、大きいですし。
そんなハンコの隣に、認印のショボいハンコを押すと、なんか、恥ずかしいんです。
しかも、押しているのは、「公正証書遺言」ですから、ずっと公証役場で保管されますし、遺言執行の時には、証人が押した認印のショボいハンコも見られます。
法的な問題はないんだけど、なんかやっぱりはずかしいので、私は「実印」をおします。まあ、あんまし威厳のあるハンコではないですが。

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