在留資格「経営・管理」の「管理」
行政書士の亀井宏紀(かめいひろき)です。
前回までは、在留資格「経営・管理」のビザについて、日本で会社を作り、ビジネスの起業をするような場面である、「経営」について説明してきました。
もっとも、この在留資格には「管理」の場面もあるので、説明したいと思います。
まず、「管理」の活動内容を確認すると
「事業の管理に従事する活動には、事業の管理の業務に従事する部長、工場長、支店長等の管理者としての活動が該当する」
とされています。
・事業の管理の業務に従事する部長
・工場長の管理者
・支店長の管理者
が例示として、あげられています。
つまり、「それなりの規模の組織の管理の業務」が、できる人でないといけないということです。
一方、在留資格「経営・管理」の、経営については、「経営ができる者でないといけない」という要件はありません。
経営の素人でも、やる気とそれなりの資金があれば、在留資格(ビザ)は認められる場合があります。若手のベンチャーなどは、実際、そうでしょうから。
それでは、この、在留資格「経営・管理」の「管理」の能力があるかを、どう判断するかですが、それは客観的に判断します。
事業の経営又は管理についての3年以上の経験があるかどうかです。
そしてこの経験には、大学院において経営又は管理に係る科目を専攻した期間を含むとされています。
証明するため立証証拠としては、
・関連する職務に従事した機関並びに活動の内容及び期間を明示した履歴書
と、
・ 関連する職務に従事した期間を証する文書
が必要です。
つまり、会社の管理部門で仕事をした経歴を説明し、実際にその管理をしていたという証拠が必要だということです。
経歴自体は、単に文章で説明するだけですが、会社で実際の管理業務をしていたことの説明は、難しいです。
また、管理の場合の経験には、大学院において経営又は管理に係る科目を専攻した期間が含まれますので、ビジネススクールや、経営大学院などの高等教育機関で、3年間の専攻をしていれば、実務の経験がなくても、在留資格「経営・管理」の管理に経験として認められます。
この場合は、大学院の履修証明書や成績証明書が、立証資料となります。あくまで、大学院が対象であり、大学ではないので、注意が必要です。
以上のように、在留資格「経営・管理」の「管理」は、実際に管理の能力があると、認められる者でないといけませんし、また会社に、その管理するための、そこそこ大きい組織もないといけませんから、
実際には、上場会社規模の、大きな会社でないと、この管理での在留資格は、認められにくいと言われています。
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